『大きなプロジェクト、シーズン、年トータルでは1つも外さず全部成功させることができました』
『私のUSJでの通算成績は34打数33安打、打率9割7分1厘、本塁打率4割1分2厘になります』
日本一のマーケター森岡毅の初の著書
【USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?】ですが、会社の課題図書で読みましたw
- 「マーケティングってセンスじゃないんだ!」と思えるノウハウ入門書
- 目的に向かって何を考えどう行動に移すのかを考えさせられる
USJのV字回復を非常に読みやすいタッチで書かれており、スイスイ読めちゃいます
僕自身はマーケティングに非常に興味を持つきっかけとなる1冊になりました
!– START MoshimoAffiliateEasyLink –>著者について
森岡毅
日本を代表する戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の「森岡メソッド」を導入し、経営危機にあったUSJをわずか数年で劇的に経営再建した人物。
「あのUSJの人だ!」で覚えているかもしれません
2017年1月にUSJを退社
現在は超有能マーケター達と共に株式会社「刀」を設立し、代表取締役CEOに就任
本書に取り上げられる「三段ロケット構想」の三段目、第2・第3のテーマパーク建設に取り組んでおられます
初の著書と思えないぐらい読みやすい本である理由は、本自体がUSJ成功させるためのアイデアの一つであるからです
本書をより学んだことは大きく2つです
- アイデアを生み出すノウハウ(マーケティング理解)
- 目標達成のプロセス
以下、詳しく見ていきましょう
アイデアを生み出すノウハウ
森岡氏は「アイデアやひらめきで生み出す天才タイプでなく、論理や数学で勝負する」と自己分析しています
そこで活用しているのが『イノベーション・フレームワーク』です
良いアイデアを思いつくには確率をあげることが大事で、合理的に確率を高める方法がイノベーション・フレームワークになります
天才タイプでない人でも、
理解しやすく実践しやすい、何より「真似しやすさ」の汎用性があります
『イノベーション・フレームワーク』は、
- フレームワーク
- リアプライ
- ストック
- コミットメント
以下の図のように、4本の柱で支えているイメージとなります

それでは一つずつ見ていきましょう
フレームワーク
フレームワークの役割は「ポイントを絞る」ことです
アイデアを生み出すために最も大切なのは、何を必死に考えれば良いかわかっていることです
フレームワークを使って、探すべきアイデアの「手がかり(=必要条件)」を推理します
宝探しを闇雲に始めるのではなく、どのあたりに宝が埋まっているのか推理してから始めるイメージです
目的は「最小の努力で最大の成果を生むため」です
森岡氏が活用する3つのフレームワークは、
- 戦略的フレームワーク
- 数学的フレームワーク
- マーケティング・フレームワーク
本書では「戦略的フレームワーク」と「数学的フレームワーク」の解説がありました
(※マーケティング・フレームワークは専門的領域のため記載なし)
戦略的フレームワーク
考えるべきアイデアの必要条件を導き出す方法が「戦略的フレームワーク」です
- 目的(そもそも達成すべき命題は何か?)
- 戦略(目的を達成するために、経営資源を何に集中するか?)←アイデアの必要条件
- 戦術(具体的にどのように実現させていくのか?)←アイデアそのもの
この順番で考えていくと、選択肢を合理的に絞っていくことができます
ポイントに集中できるため、それ以外全く考えなくていい「捨てる領域」も発生します
森岡さんが「戦略的フレームワーク」を用いて実践した例を見てみましょう
- 目的:「USJを3年以内に年間1000万人集客する」
- 戦略:「小さな子連れファミリーを獲得する」
- 戦術:「ユニバーサル・ワンダーランド建設」
「戦略」から「戦術」に落とし込む際には、具体的な必要条件を整え実行しております
イメージは以下の図です

戦略的フレームワークを活かすためには、早い戦略の意思決定が必要です
闇雲に考えるより効率的に、そして成功確率が高くなります
USJは森岡氏の着任時は年間約740万人の集客が、
ユニバーサル・ワンダーランドがオープンした2012年度は975万人を記録することになりました
すげ〜〜〜
数学的フレームワーク
一言で言えば「ロジック」そのもの
正しい目的を設定するために、問題の本質を発見するために役に立ちます
戦略的フレームワークでの「目的の設定」でよく使われます
著者は数学が得意のようで、高度な数学的思考でアプローチするらしいです
本書では「ロジカルに頭を使うことで正解に辿り着く可能性が高くなる」に焦点に当てました
宝を探す方法として、「足して100になる仮説を立てて検証する方法」を紹介していました
いわゆる「MECE(モレなくダブりなく)」の手法ですね

例えば、飲食店で「売上が下がっている」問題に直面したときにも使えます
- 売上減少は「来店客数」か「客単価」どちらに原因があるのか? → 来店客数に原因
- 次に「新規客」か「リピート客」どちらに原因があるのか? → リピート客に原因
- さらに「男性客」か「女性客」どちらがリピートしないのか? → 女性客に原因
以上より、売上減少は来店客数に原因があって、特に女性リピート客の集客が弱いと判明
すると、女性リピート客を増やすことで売上のテコ入れができると仮説を立て、対策を立てることができます
闇雲に探しても非効率ですが、何を頑張るか、どこに集中するかが分かれば確率をあげることができます
リアプライ
何を考えるか決まったからといってすぐにアイデアを生み出そうとしない
世界中のどこかに、過去から現在に至るどこかに、似たような問題に直面した人はいるのでは?
と疑うことから始めましょう
世界中からアイデアを探します
ストック
転用できるアイデアがないか常に外へアンテナを貼っていると、有意義な情報がどんどん溜まります
蓄積された豊かな情報が「ストック」です
気がつかないことは考えられない
多くの人は働きすぎ
自分へのインプットを増やす機会をどれだけ作れるかが、実は重要なキャリアの差を生むことを自覚するべき
コミットメント
最後は意外にも精神論です
考えつくまで考え抜く
淡白な人に「アイデアの神様」は微笑んでくれない
ある問題について、地球上で最も必死に考えている人のところに、アイデアの神様は降りてくる
そして、アイデアは実現させないと意味がない
深いですね〜
目標達成のプロセス

本書が良本だと感じた理由の一つが、
マーケティング要素だけでなく、目的に向かって具体的にアクションを実行していくプロセスです
USJへマーケティング専門家として就任して著者がとったアクションプランは「三段ロケット構想」です
到達したいゴールに一気にジャンプするのが厳しい…
では、その間に階段を作って確実に登っていくプロセスを考えました
USJの場合、会社収益構造を大きく変革させる3つの「ゲームチェンジャー」
- 家族連れ顧客の取り込み → ユニバーサル・ワンダーランド
- 関西依存の集客構造から脱却 →ハリーポッター
- 会社ノウハウを複数の場所に展開 →第2・3のテーマパーク
本書は第2発目のハリーポッター開業直前で出版されております
著者森岡さんの凄いところ
アイデアのノウハウでもあるように、著者は目的を明確にして実現のため逆算してプロセス設計しています
USJに就いてから考えた構想は、
設備投資を「ユニバーサルワンダーランド」「ハリーポッター」の2つに集中することでした
決断した2010年から3年間
会社のキャッシュフローを生み出すため(繋ぐ)の施策を連発して、全て当て続けました
- セレクトショップ化
- 10周年企画「ハッピーサプライズ」
- キッズフリー
- ハローウィン・ホラー・ナイト
- モンスターハンター
- 世界一の光ツリー
- スパイダーマン4K3D
- ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド〜バックドロップ〜
- バイオハザード・ザ・リアル
新たなアイデアを全て成功し続けました
いやいや、凄いですね
しかもカネもヒトも投資が制限されている中で、アイデア勝負で勝ち続けました
本書ではその葛藤や困難に直面しながらも、どうアイデアを実現させていったのかが非常に分かりやすく記載されています(若干USJの広告要素強めですが…)
なんかもうUSJに行って確認したくなっちゃいます
この本で学んだこと・実践すること

本書で学んだこと・実践しようと感じたことは2つです
アイデアが閃かないからと諦めない
『イノベーション・フレームワーク』を使って、論理的に確率を上げていく方法を実践しようと思います
愚直にやり続けるしかありませんね
- フレームワーク
- リアプライ
- ストック
- コミットメント
センスに言い訳しない!です
目的からの逆算
到達したい最終の理想が明確になれば、そこに向けたアプローチを考える
カネ、ヒト、モノ、時間などで言い訳しがちになりますが、
ゴールが明確になれば、実現に向けてアクションをとること
計画を具体的行動に移すことの大切さを学びました
日本一のマーケター森岡毅の初の著書
【USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?】
僕のようにマーケティング学び始めた初心者だけでなく、
なかなか目標に向かってアクションを起こすことができない人におすすめです
それでは